カテゴリー「海外犬事情」の記事

ONE LOVE ACTION!の講演をとおして・・・

今日は「ONE LOVE ACTION!」の講師を務めさせていただきました。

講演内容は「世界の犬事情~アニマルシェルターを取り巻く現状から考える~」。

ONE LOVE ACTION!とは、フリーマガジン「ONE BRAND」が主催するワークショップで、捨て犬を減らすために自分たちでできることを考えて、アクションを起こそう! というもの。
受講者の方々との時間では、すごくいい経験をさせていただき刺激になりました。
「こんなにも、捨て犬を減らすための活動に意欲を燃やして自分にできることを探って、具体化しようとしている方がたくさんいるんだ!」と、感激しました。

事前に参加者20名の方からの質問をいただき、それを講義内容に盛り込むように心がけましたが、まだまだ、今日の40分間のトークでは伝えられない思いがたくさんあり・・・。
全部の質問にも答えられないもどかしさも持ち帰ってきましたので・・・。
こうして、ブログで補足などさせていただこうと思います!(今後も続きます)

今日の講演をとおして、「日本というこの国で、何ができそうか」を探れるヒントを提供できれば幸せです。
私はこれまで海外20カ国をまわって世界の犬事情を見てきましたが、海外に行けばいくほど、実は日本のいい部分にもあらためて気づかされます。たとえば↓

◆衛生観念がすぐれていること(ウンチを世界でもっとも拾う国民だと思いますし、おしっこあとに水をかけるなど、すばらしい!)
◆日本人は気質が穏やかで生命全般に対してもやさしいところ
◆ごく少数の民族で成り立っていて、まとまりやすいところ

日本人は、料理にしても、なににしても、海外からいい部分をほどよく取り入れて日本風にアレンジするのが得意な国民だと思います。
アニマル・シェルターや保護活動にしても、世界各国のすぐれたポイントを取り入れたうえで、日本のすぐれた面を織り交ぜて、上手に日本人になじむ新たな動物愛護文化を作り出せればいいと思います。

ところで。ほかの国には、日本ほどめまぐるしく変わる犬種ブームはありません。
日本人は「流行」に飛び付きやすい特徴があるということですよね。ライフスタイルにあわない犬種なのに、ブームにつられて飼いはじめるのは共感できませんが・・・。
でも! 逆にこういった日本人の特性を活かせば、「殺処分ゼロの国」を実現したり、アニマル・シェルターから新しい家族の一員を引き取ることがメジャーになることも、スムーズに「流れに」乗せられると思うのです。
アニマル・シェルター先進国のアメリカですが、実は殺処分は年間250万頭ともいわれており、日本の殺処分数10万頭をはるかに上回っています。それはなぜか? アメリカは移民が多く住み、国土も広く、他民族国家で、貧富の差が日本より激しく…。「まとまる」のが困難なバックグラウンドがあるからだと思います。ところが、殺処分ゼロを実現したドイツなどは、さほど民族も多くなく、国土も広すぎない。つまり、日本と似ていて「まとまりやすい」国民なのだとも思います。
だから、(それだけが理由とはいえませんが)たとえばドイツのように、日本で「殺処分ゼロ」を実現するのはむずかしくないのはないでしょうか?

ちなみに、今日の講演で(時間がなくて)話せなかったのですが、福祉国家として名高いスウェーデンのアニマル・シェルターには、犬がほとんどいないそうです。国全体の犬の避妊去勢率がすごく低いにもかかわらず!ですよ。
ロサンゼルス市で今年から施行された「生後4ヶ月までの犬に去勢避妊手術を義務化」という条例などなくても、犬の数が増えすぎず、捨て犬も少ないのが、スウェーデンなのです! う~ん、これぞ、理想の姿ではないでしょうか?

そもそも捨て犬がいないから、アニマル・シェルターが必要ない。そして犬が、家族の一員であることはもちろん、社会の一員として受け入れられしあわせに暮らしている。

そんな理想的な社会の実現に向けて・・・
「できることはなんだろう?」

私自身について考えれば、ドッグ・ジャーナリストとして、最新の情報を取材し、書いたり話したりして伝えることがひとつ。
もうひとつは、「犬の幼稚園」で子犬の社会化を行うことと、「しつけインストラクター」として出張カウンセリングを行い、飼い主さんと犬の信頼関係づくりのお手伝いをすること。
これらの活動が、「扱いにくくて捨てられる犬」を減らすことにもつながると信じて続けています。
飼いやすく、社会でも愛される犬が増えていけば、日本でももっと犬の権利が向上するはずです。

また、動物愛護の精神を根付かせるには・・・。
そのあたりは、次回のブログに書いてみることにして。と。

今日は、受講者のみなさま、そしてこうして私が世界各国で集めた情報と知識を多くの方に「スライドつきのトークショー」で伝えられる場を設けてくださった「ONE BRAND」のみなさま、ありがとうございました。

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マイクロチップ、入れないとっ!

こんなニュースを発見しました!
「自宅から1900キロ…行方不明のテリア犬、9年ぶりに飼い主へ ~豪州」
(写真と記事はこちら;
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090731/asi0907311310002-n1.htm

++記事抜粋++
AP通信などによると、豪州メルボルンにある王立動物虐待防止協会は29日、メスのテリア犬を保護した。

 職員が首輪に付けられたマイクロチップの記録を調べたところ、このテリア犬は11歳になる「ムフィ」で、9年前にブリスベーン市内で行方不明になっていたことが判明。同協会は飼い主に連絡を取り、帰還の手続きを進めている。

 飼い主の自宅から、ムフィが保護された場所までは約1200マイル(約1920キロ)。9年間にわたる豪州大陸放浪の終焉を迎えたムフィは協会施設内で毛布にくるまれ、飼い主の到着を心待ちにしている。
+++

豪州では州法でマイクロチップが義務付けられてます。
9年かかれば、首輪だって迷子札だって朽ちて取れちゃいますからね。
やっぱりマイクロチップが有効なんだわ~。
この「飼い主発見」は、マイクロチップのなせる技!

マイクロチップは迷子対策に必須ですね。
新潟の小千谷市の獣医さんを取材したときも、災害時などで犬が迷子になったときの対策としてマイクロチップの有用性をうかがいました。
実際、関西ではマイクロチップの挿入率が高いとか。
マイクロチップに、狂犬病ワクチンの接種履歴なども入れられればいいと思います。
・・・でも、マイクロチップのリーダーをまだ持っていない保健所(自治体)もあるのよね。
ううう~ん。
法律化してほしいとまではいいませんが、欧米ではマイクロチップ(国際規格がありますし)の普及率が高いなか、日本は残念ながら遅れています・・・。
愛犬リンリンは、豪州からやって来たので、もちろんマイクロチップが入っています。
日本生まれのミィミィにも、そろそろ入れないと!
ちなみに、豪州ドッグビヘイビアリスト研修留学中に取材した、記事に登場する豪州の王立動物虐待防止協会(RSPCA)の記事は、こちらに掲載されています↓
マイクロチップとともに、日本でももっと「アニマルシェルター」がポピュラーになるといいなぁ~。

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ノーリッチテリアがFCI東京インターでBIS受賞!

ドッグショーに詳しくない方は、
なんのこっちゃさっぱりのタイトルかと思いますが・・・

ノーリッチ・テリアの愛犬リンリンの異母姉妹(=ウィンキーちゃん)の息子
つまり、リンリンの血縁関係がある(甥っ子?)チョコ君(オス)が、
12月21日に東京ビッグサイトで行われた
FCI東京インターナショナルドッグショーで、
パピーの部でBIS(ベスト・イン・ショー)を受賞しました!!!
http://www.j-pet.com/palpatine/index.html
すべての犬種の出陳パピーで頂点を極めたわけです。 すばらしい♪

とはいっても、私は同日開催された主催者も展示場も別のイベントの取材で
その瞬間は見られませんでしたが・・・。

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↑リンリンと同じ豪州の犬舎から来たウィンキーちゃん(右)
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↑好奇心旺盛で物怖じしない=テリア気質満点のチョコ君

ところで、イギリスでは断尾が禁止され、断尾した犬はクラフトショーで出陳禁止となっています。リンリンがやってきた豪州でも断尾・断耳は禁止されていますが、日本はまだ断尾するんですね・・・。個人的な意見ですが、もうそろそろ日本でも断尾・断耳はやめませんか? 

ドッグショーのあり方や、純血種のブリーディングに関しては、
アニマルシェルターのARKのニュースレターにもあるとおり、
(まだHPに最新号がUPされてませんが、最新号記事にて)
http://www.arkbark.net/j/index.htm
BBSで放送されたクラフトショーの意義を問う番組が
物議をかもし出していて、確かに一部いびつな面もありますが・・・。

「犬質の向上」を目指し&その犬種の特性と受け継ごうとしているブリーダーの方々に今年1年、「愛犬の友」の「繁殖を考える」という連載の取材で出会って取材を重ね、
あらためて純血種の魅力やショーの意義も知りました。
(連載では、繁殖の管理により遺伝病を減らすことを目的としています)

私もメディアの人間でもあるので、ものを制作する際にはどうしてもある一部分を強調してメッセージ化しなければならないこともわかっており、BBSの番組も同様であり、もちろん番組で描かれているいびつな部分はすべてではありません。ですが、その番組をきっかけに、「純血種の繁殖」に関して、犬王国のイギリスをはじめ、全世界で改善されることを期待します。人間の都合で作出した犬種ですが、「健全性」がなにより重要なのです。
純血種の特質としつけポイントなどに関しては、
私のオールアバウト「犬の健康」の記事もご参照ください。
それにしても。
別イベントでは、生後1ヵ月の子犬がショーケースに並べられて
生体販売されていて(そんなブースが3つも!)、
また犬種図鑑チックな動物園っぽい展示ブースがあったりと、
目を覆いたくなるような(=日本の犬事情の後進的な部分を露呈する)部分もありました。
この手のネタは、書き始めると止まりませんので(&ただいま発泡酒片手なので)
ここらへんでストップしておきます(笑)。
ともかく、 来年も、世界と日本の犬事情を追い、日本の犬事情の向上=
日本にしあわせな犬が増えるように、犬の幼稚園での活動も含めて
力を尽くしたいと思います。

ただいまリンリンは、足元で眠っていて、夢を見ているのか断尾していない太くて立派な長いシッポをブンブンブンブン振っています。あ! ワフって寝言も言った! 愛しいなぁ~♪

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JAPDTを取材&今日はロジャー博士インタビュー取材です

先週、JAPDT(日本ペットドッグトレーナーズ協会)主催のカンファレンスを取材・聴講してきました。

その取材で講義内容のおもしろかった、動物行動学者のロジャー・アプランテス博士に、今日は「愛犬の友」の人物インタビュー連載であらためてガッチリ取材します! (その掲載誌の発売は10月25日)

ロジャー博士の「ひとりで留守番するとき」という講義が印象的です。

犬の不安からくる、いわゆる「分離不安」による留守番問題は実はごく一部なのだそうです。ほとんどの留守番問題は、①ひとりでいることに対処する方法を知らない ②刺激が少ない ③飼い主から注目されないなどの特定の状況を受け入れようとしない のが原因とか。それをふまえて、ロジャー博士が実践して直してきた犬の留守番問題の改善ノウハウをしっかり聞いてきましたので、今後はそれを取り入れながら私も飼い主さんのお悩み解決に役立てていきたいと思います。

「分離不安」ではないのに安易に「分離不安」のレッテルを貼られているワンちゃん、案外たくさんいるかもしれませんね・・・。

そして、ロジャー博士はポルトガル生まれで、デンマークに長く住み、今はタイで海洋生物の研究と環境保全にかかわっているだけに、「お住まいはどこですか?」と尋ねると「地球」と答えるそうです。(私は「今はタイに住んでいるんですよね?」と聞いてしまったので「チャイ、カップ(タイ語で「はい、そうです」)としか答えて頂けませんでしたが<笑>)。「地球」という答え、すごく気に入りました。そうですよね、犬も人も「動物」であり、地球という空間をみんなでシェアしているのですから。

それにしても、私も世界20カ国の犬事情を見てきましたが、動物行動学の専門家であるロジャー博士の観察眼や考察力には及びません。でも、ロジャー博士に共感できる考察を発見しました。それは、ところ変われば様々な価値観や習慣があり、でもそれに対して「なぜ?」と理由を尋ねてもたいがいはうまく答えられないということ。具体的に説明すると、ロジャー博士いはく、アメリカではクレートに対して肯定的な見方をしてよく使われるそうですが、ヨーロッパはクレートに対して否定的な印象を持っていて「かわいそうだから入れない」人が多いそうです。でもロジャー博士が「なんでかわいそうなの?」と聞いても、「そうねぇ。狭いから???」と、実感を伴ってうまく理由を説明できる人はいないとか。身近な「習慣」が人々に「その価値観」「その行動」を育ませているけれど、実はそれは単なる「習慣」にすぎず、考え直してみれば無意味なものだったり根拠のない思い込みだったり…。そういうの、「あると思います」(←エロ詩吟のお笑い芸人風で)

これまでの概念や価値観を、あらためて考え直してみる作業、私にも必要そうです。

また、日本には日本の文化と日本人の価値観が根付いています。いくら犬文化が欧米のほうが進んでいるとはいえ、そのまま日本に当てはめると違和感があったり、受け入れにくい犬文化もあると実感しています。日本人にその犬文化があうかどうか。それを既成概念にとらわれずじっくり考えて、取り入れたり紹介したりしていきたいと思います。

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イタリア人と犬

今週の毎日新聞でおもしろい記事を見つけました!

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イタリア:犬の「社交性」、日本と比較 人と触れ合って大人になる

 平然とカフェや地下鉄に出入りする犬。一頭で悠然と通りを歩く犬--。日本に比べイタリアの犬がずいぶん成熟して見える。ほえ合う姿もまず見ない。大昔から犬を愛し、国民1人当たり日本の倍の犬を飼う国。答えは他者との間に緊張が生まれない、その社会性の高さにあるようだ。【ピサ(イタリア中部)で藤原章生】

飼い主に似る?

 「生後4カ月までにどれだけの人、動物に会ったかで犬の社会性は決まる」とローマ郊外で犬の学校を営むマッシモ・ペルラさん(50)は語る。牧場のような学校では、テレビや映画に登場する名犬が走り回っていた。

 「イタリア人は犬を家族とみて、ソファやベッドに乗せるがこれも善しあし。高慢になる犬も多い。ひもを引っ張る犬は、大体自分が主人だと思っている。矯正には時間がかかる」。かつての日本の犬は大体この手合いだった。はあはあ息も荒く、ひもを引っ張る。

 犬は飼い主に似るという。見知らぬ者同士話が弾んだり、さほど深刻にならずに怒鳴り合うイタリア人を映している。そもそも人間関係の緊張が少ない。

 欧州唯一の犬専門の獣医学科がある1343年創立のピサ大学では、社会性をテーマにした実験中だった。獣医生理・生化学科のアンジェロ・ガッツァーノ教授の研究は「犬の沈静化の合図」。

 実験では同性、異性間について初対面、旧知の計100パターンの5分間の出会いを録画し仕草などを分析する。7メートル四方のおりで、学生95人や研究者の犬が使われた。教授は「犬の社交性を見る世界初の実験」と言う。

 結論は9月に出るが、わかったのは(1)けんかになったのはオス同士の1組で、本気ではかまなかった(2)異性の出会いは初対面、旧知にかかわらず緊張が小さい(3)自分の鼻をなめたり、うなり声、しっぽ振りなどの「信号」は、緊張の高い同性間で顕著だった。

怒るのは逆効果

 「犬はひもにつながれたり、主人が後ろにいると、テリトリーを守ろうと攻撃的になるが、単独だと極めて友好的。特に人や動物に交じって育った犬は社交性が高い」と教授。人のように相手の目を見ず、一定の距離をとり、巧みに視線をそらしながら、横目で観察するのが特徴だ。「高音のうなり声は友好、低音は敵対を、また、しっぽをまっすぐに立て、先端部を揺らすのは相手を疑っているしるし」と言う。

 昨年まとめた別の実験「子犬の情操発達に与える乳児期環境の影響」では、生後2カ月の子犬43頭で、部屋に放置した時の反応を見た。何秒後にどれくらい鳴くかを指標に、感情の安定を見ると、人によく触られた犬ほど安定している。生後間もなく母から離され、店に陳列された犬は落ち着きがない。

 「犬を殴り、怒鳴るのは逆効果。幼い時に人、動物に触れさせ、車など雑音を聞かせて育てるのが大事」と教授は言う。

 人口5888万人(07年)のイタリアで犬を飼う世帯は約800万。2頭以上の家も多く、総頭数は日本の1252万頭(07年、ペットフード工業界)に匹敵、国民1人当たりでは日本の約2倍だ。

 プロの教育を受ける犬はわずかなのに、イタリアの犬の社会性が高く見えるのは「家族の一員として暮らしてきた面が大きい」とペルラさんは語る。

毎日新聞 2008年7月15日 東京朝刊

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私もドッグジャーナリストとして、世界15カ国の犬事情を雑誌などに書いてきていますが、それぞれの国の犬はその国柄や国民性を反映しているな~と本当に感じます。

私が犬の問題行動矯正を学んだオーストラリアは、おおらかな国民が多い。犬ものびのびとしていて、フレンドリーです。

日本では散歩中に出会う飼い主さんが、相手のワンちゃんとの挨拶に緊張してリードをぎゅっと握り締めていたり、リードをピーンと張っていたりすることもあります。でも、イタリア方式をちょっと見習って、おおらかに構えてあげたほうが、ワンちゃんは安心できるもの。ぜひ、リードはゆるめてリラックスして、子犬のころから色々な人やワンちゃんに会わせて挨拶させて、のびのびと楽しい時間を過ごしていただきたいと願います。

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